男は匣を持つてゐる。
大層大事さうに膝に乗せてゐる。
時折厘に話しかけたりする。
眠い目を擦り、いつたい何が入つてゐるのか見極めようとするが、
壼か花瓶でも入つてゐるのか。
何とも手頃な善い厘である。
男は時折笑つたりもする。
如何にも眠かつた。
「ほう」
匣の中から聲がした。
鈴でも轄がすやうな女の聲だつた。
「聴こえましたか」
男が云つた。蓄音機の剛吠から出るやうな聲だ。
うんとも否とも答へなかつた。夢の績きが浮かんだからだ。
「誰にも云はないでくださいまし」
男はさう云ふと匣の蓋を持ち上げ、こちらに向けて中を見せた。
匣の中には縞麗な娘がぴつたり入つてゐた。
日本人形のやうな顔だ。
勿論善く出來た人形に違ひない。
人形の胸から上だけが匣に入つてゐるのだらう。
何ともあどけない顔なので、つい微笑んでしまつた。
それを見ると匣の娘もにつこり笑つて、
「ほう、」
と云つた。
ああ、生きてゐる。
何だか酷く男が羨ましくなつてしまつた。
『魍魎の匣』の映画化を記念して。
自分的に雨宮さんが永琳、
加奈子が輝夜。
久保が慧音で
頼子が妹紅。
かのヒトラーも求めたという、手にしたものは世界を支配できるという聖なる槍。
何故か持ち主の本名は有名ではない。
たぶんＥＶＡのせい
∀ガンダムは驚きでした
花映塚のクルクル傘を回すアクションがなにげに好き
